【1954】日本工営
事業内容(会社HPより引用)
開発および建設技術コンサルティング業務ならびに技術評価業務、
電力設備、各種工事の設計・施工、電力関連機器、電子機器、装置などの製作・販売
企画設計、施工管理、運営維持管理が建設コンサルタント。
ざっくり大型の建設案件で施工以外の部分を幅広く担当。日本工営は海外進出しておりグローバル企業でもある。
四半期ごとの売上高実績
3Q、4Qに売上偏重傾向がある。ネックであった3Qでも売上増に転じ、通年で前年同期より売上を伸ばす。
過年度実績及び今期予想
売上、利益ともに過去最高を更新予想。
この予想は豊富な受注残高に裏打ちされており、過去4年間の比較でも高水準の受注残を維持している。
単純に世界経済が温まってきて公共事業が増えたから業績も伸びただけでしょうか。
もう少しだけ分析してみました。
売上高推移と原価率
売上高は順調に伸びてきていますが、何より目を引くのは原価率が年を追うごとに低下していることです。原価率が下がれば損益分岐点が下がるので利益率が非常に大きくなってきます。
この点については短信の中で、好採算な受注に特化し採算性を重視しているといったコメントが見られました。結果が出てきていますね。
地味株ですがなかなかいい会社だと思います。
コミック市場について
先日、【4348】インフォコムについて少し言及しましたが、コミック市場なるものを少し分析してみます。
まずは市場規模ですが、全体としては横ばいで推移しています。私は某化粧品会社に勤めていますが、化粧品業界も市場はもう何年も前から飽和状態です。近年、インバウンド需要の高まりにより需要の底上げはありますが、それでも前年比で大幅に成長するといった業界ではありません。しかし、どのような販売チャネルを選択するのか、ターゲットはどう絞るのか、発売する製品の製品競争力はどのくらいなのかといった緻密なマーケティングを行うとそれなりに売り上げが伸びたりします。
コミック市場も同様だと思います。販売チャネルに関しては、大きく紙かwebかといったところでしょう。販売金額推移を調べてみました。
http://www.ajpea.or.jp/information/20170224/index.html より
全体のパイは横ばいですが、電子書籍は毎年伸びていますね。予想通りといったところでしょうか。
そもそも、紙媒体は「読まない」もしくは「読みたくない」タイトルの分までお金を払って買うわけです。また、本屋やコンビニなどにわざわざ足を運ばなければいけません。また、読み返そうと思うならどこかに保管しておかなければいけません。
すべて余分なコストです。
電子コミック販売を考えた時、自社開発はおそらくできないと思います。インフォコムは独占配信やAIを活用しロングテールも取り込むといった工夫をしているようです。
IT業界は近年技術者不足で、売上を伸ばそうとすると外注や派遣などを使用し製造コストが大きくなりがちです。インフォコムについては短信を見る限り、そういった部分はクリアしてそうですね。
【4348】インフォコム
事業内容(会社HPより引用)
①携帯電話事業者、一般企業、医薬医療関係の機関や官公庁、教育研究機関の顧客向けに情報システムの企画・開発・コンサルテーションなどの各種ITソリューションや、情報通信システムの企画・運用・管理などの各種サービスの提供
報告セグメント:ITサービス
②消費者が利用する携帯電話やスマートフォンへのコンテンツ配信やeコマースなどのサービスの提供
報告セグメント:ネットビジネス
認知度の高い事業:めちゃコミック(CMでおなじみ)
(主観あり笑)
過去決算及び今期予想
順調ですね。まぁここまでは株たんですぐにわかります。
★過去4年分の四半期決算分析
売上高、製造原価について
売上高は堅調に増加
原価率は毎年低下傾向
販管費、粗利について
粗利率は増加傾向
販管費率は1Qで高くなる傾向にある当社が今季は直近3年比較で最も低率
セグメント売上
ネットビジネス増加傾向
まとめ(考察含む)
・認知率が高まった「めちゃコミック」が販管費を抑えても売り上げをとれるようになった→骨太の事業に成長し、しかも好採算。
・ロングテール的な部分はこれまであまり取り組めていなかったが自社開発AIの活用により売り上げを伸ばすことに成功(決算説明会動画より)。
・製造原価率の低下と販管費率の低下の両方に取り組み、売り上げを伸ばすという利益を出しやすい収益構造になってきている。
ブログ主は中長期目線です。投資のための備忘録です。